ブログと論文の違いは何だろうか。
似て非なるものであるため、違いを意識する必要がある。
ブログのノリで論文を書くことはできないし、論文のような内容はブログとして適切ではない。
細かい違いはあると思うが、出来るだけ本質的な違いを考察したいと思う。
ちなみにここでは論文は理科系の学術論文を想定している。
- ブログはユーザ個人(読者)に対して価値を提供する文章
- 論文は社会的な課題の解決に貢献する文章
ブログと論文の一般的な違い
まずざっくりと一般的な違いを知るためにChatGPTに聞いたところ以下の通りらしい。
ブログ | 論文 | |
---|---|---|
目的 | 意見や情報の共有 | 学術的な知識共有 |
新規性要素 | 厳密な要求はない | 重要 |
読者 | 一般の人々 | 学術的なコミュニティや専門家 |
スタイル | カジュアルで短い文章 | 形式的で専門的 |
引用や参考文献 | 必要なし | 必要である |
審査 | なし | 査読プロセスがある |
これらのうち読者やスタイル・審査などは本質的な違いではないと考える。
例えばブログの文章スタイルを形式で専門的な文章にしても、それは論文っぽいブログになるだけで、本質的な部分は変わらないからである。
本質的な要素は何かというと、一番重要なのは目的だろう。
それぞれの目的があるために、それに合わせて読者やスタイルなどの違いが生じるためだ。
違いの本質を考察
ブログの目的
ブログの目的は「意見や情報の共有」とあるが、本質的な要素は「ユーザに情報を通じて価値を提供する」ということにあると考えられる。
特に収益を目的としているブログはユーザの悩みを解決する記事を書くということ(=悩みを解決するという価値)を重要視している。
日記ブログなどもユーザはブログ主の体験や意見などに興味があり読んでいる(=楽しさや社会的欲求を満たすという価値がある)ため、価値を提供していると言える。
つまりはユーザに価値を提供するという目的さえ達成されていれば、ブログの要件は満たしていると言える。
ちなみにこの価値というのは、人によっても何に価値があるのかというのは違うし、価値の大小は問われない。
論文の目的
一方で論文は「学術的な知識の共有」を目的としている。
これの本質的な要素は、ブログがユーザに価値を提供するのに対して、論文は「学問的・経済的・社会的な研究課題に対して価値を提供する」ことだと考えられる。
なぜなら、何らかの課題があるテーマに対して、研究を通して改善や課題解決する方法を提案検証し、その結果を共有することで科学の発展を実現することに意義があるためだ。
そのため、ある特定の研究課題に対して価値を提供するということは、その論文に新規性、有効性、信頼性があることが必須要件となる。
ブログと論文の目的比較
このように考えると、ブログは必ずしも新規性や独自性といったものは必要ない。
なぜならユーザの課題は十人十色であるし、仮にほぼ同じ内容でも表現方法による分かりやすさなど情報内容以外にも価値が付与されるためだ。
もちろんより多くのユーザに価値を提供するためには新規性独自性は重要であることは言うまでもないが。
それに対して論文は特定の課題にフォーカスし、内容に価値があるかが問われる。
内容の価値とは、そもそも設定した研究課題の意義や、それらがその論文によって解決できているか(従来の研究に対する新規性や優位性)ということだ。
結論
結論としてはブログは個人の課題を解決することにフォーカスし、論文は社会課題を解決することにフォーカスしているというのが本質的な違いというのが一つの見解だ。
従ってブログを書く際には、ユーザにちゃんと価値が提供できているのかということを意識する必要があり、論文を書く際には(正確には研究行為自体)社会的な価値があるかどうかということを意識するのが大切である。