調理科学

【レシピ】トニーローマのBBQリブを再現したい【調理科学】

こんにちは、皆さんBBQは好きですか?
炭火グリルでみんなとワイワイ楽しくお肉を食べるのはよいものですよね。
焼肉やステーキなども美味しいですが、骨付きのポークリブも存在感があり絶品です。

私は特に全米リブ料理コンテストで“アメリカNO.1リブ”の称号を獲得したトニーローマのベイビーバックリブが大好きで、何とかこれを再現しようと試行錯誤しています。

そこで本日は「学びが人生を豊かにする」をテーマに、トニーローマのBBQリブの再現レシピについて書いていきたいと思います。

BBQをやる際には、是非このレシピを参考にBBQリブを作ってみてください。
ベイビーバックリブだけでなくスペアリブでも美味しくできる出来ますよ。
もちろんBBQだけはなく、家のオーブンなどでも十分美味しくできると思うので、参考にしてください。

BBQリブのレシピ

まずは、細かいことは抜きにして、レシピの紹介です。

【1-1. 材料】

1人前の材料

A.食材

  • ベイビーバックリブ・・・1ラック

B.ソース

  • ケチャップ・・・大さじ2
  • 市販BBQソース・・・大さじ2
  • ウスターソース・・・大さじ1
  • はちみつ・・・大さじ1
  • リンゴジュース・・・大さじ1
  • 醬油・・・小さじ1
  • 焼肉のたれ・・・小さじ1
  • にんにくチューブ・・・小さじ1/2
  • しょうがチューブ・・・小さじ1/2

C.マリネ液

  • 塩・・・小さじ1
  • 砂糖・・・小さじ1
  • 好みのスパイス・・・適量
    (※具体的なスパイスは後述)
  • オリーブオイル・・・大さじ2

【1-2. 作り方】

  1. 肉を一晩マリネする
    材料Cを混ぜたマリネ液を肉に揉みこむ。
    マリネ液を揉みこんだ肉をキッチンペーパなどで包みジップロック等の袋に入れ、冷蔵庫で一晩寝かす。
    (※時間がなければこの工程は省略してください)
  2. 低温で火入れする
    マリネした肉を取り出し、アルミホイルで包む。
    蒸し器に入れ、低温(80度程度)で3時間以上蒸す。
  3. BBQソースに漬け込む
    材料Bを混ぜたBBQソースと肉をジップロックに入れる。
    肉にソースをなじませ、保温しながら数時間漬け込む。
  4. 肉を焼きあげる
    BBQグリルで肉を0.5~1時間焼く。
    肉の表面が少し乾いたら都度BBQソースを重ね塗りする。
    肉全体にBBQソースの照りと軽い焦げ目などができたら完成。

調理ポイント

【2-1. 目標はトニーローマのBBQリブ】

目指す味はトニーローマのBBQリブです。
味の特徴を言葉で説明するのは難しいのですが、狙いたいポイントは3つ。

  • 食感:ジューシーで柔らかいが肉々しさがある
  • 味:肉の旨味とソースの旨味が一体化している
      ソースはケチャップベースかつ甘みが強い
  • 香り:スモーキー

これらを目指して調理していくが、参考になる調理方法としてアメリカのバーベキューガイドブックが参考になるだろう。
例えば米国食肉輸出連合会が発行しているAmerican BBQ Guidebookによると、ベイビーバックリブは前日にスパイスを揉みこみ一晩寝かした肉を、ウェーバー製のBBQグリルで6時間焼くのが基本となる。

トニーローマではこうしたベースとなる調理方法に対して、複数のプロセスからなる独自の調理方法で料理を提供しています。
その調理方法は不明ですが、調理科学の観点から少しでも再現したいと思っています。

それでは、考案したレシピのポイントについての解説です。

【2-2. マリネでジューシーかつ香り高い肉に】

  • スパイス類で香りを付ける
  • 塩と砂糖で保水効果を高める

まずAmerican BBQ Guidebookにある通り、スパイスの揉みこみを行います。
これの効果としては二つあります。
一つはスパイス類により香り付け。
もう一つは塩と砂糖による保水効果による肉の柔らかさとジューシーさを出すことです。

スパイス類は好みであるが比較的使われるスパイスは以下の通り。

  • パプリカパウダー
  • ガーリックパウダー
  • オニオンペッパー
  • カイエンペッパー
  • チリペッパー
  • ブラックペッパー
  • クミン
  • オレガノ

お好みでこれらを調合して揉みこめばよいのですが、おそらく一般家庭にこれだけのスパイスは無いかと思います。
あるのだけ使用するか、市販のスパイスミックスやシーズニングで代替するのも良いです。
なんならBBQソースの主張が強いので、無理にスパイスを揉みこまなくても影響は少ない可能性が高いです。

ただし、塩と砂糖の揉みこみは重要です。
肉は塩と砂糖を同時に揉みこむことで、ジューシーになると言われています。
塩の振りすぎはしょっぱくなる原因となるので、念のため肉の重量の1%未満としてください。

塩と砂糖、各種スパイスをオリーブオイルと一緒に揉みこみ冷蔵庫で一晩寝かすことで、香り高く、ジューシーで柔らかい肉の実現に効果があります。

肉に塩を振りかけることで保水性を高めることができます。
浸透圧により水分が流出してパサパサにならないのかと思いますが、塩を振って出た水分は再び肉に吸収されると同時に、タンパク質が塩水に溶け出して表面を覆うため、保水性が高まり加熱しても柔らかくジューシーになると言われています。

一方で砂糖はタンパク質の凝固を緩やかにし、肉の水分やコラーゲンと結びついて保水性を高める効果があります。

水に対して5%になるように塩と砂糖を溶かした液体はブライン液と呼ばれ、肉を漬け込むとジューシーになる効果があり、フレンチなど古くから使われている技法です。

【2-3. 低温で長時間火を入れる】

  • 低温で火入れし肉を柔らかくする
  • 蒸し焼きにすることで旨味を留める

次に低温調理を行います。
本場アメリカではウェーバー製のBBQグリルで6時間焼きますが、普通の家庭では実現困難であるため、蒸し器により代替します。

ポイントは低温で火入れを行うことです。
加熱温度の目安は80度前後を目指してください。
この温度帯での火入れを行うことで、肉をジューシーかつ柔らかに仕上げることができます。

厳密な温度管理は難しいですが、蒸し器をごく弱火にし蓋の代わりに軽くアルミホイルをかぶせることで80度前後を維持できます。
蒸し器のサイズやアルミホイルから逃がす水蒸気の量などによって前後しやすいので注意してください。
可能なら調理用の温度計をアルミホイルの上から刺して蒸し器の温度を測りながら加熱することをお勧めします。

また、蒸す際には肉をアルミホイルに包んだ状態で行います。
アルミホイルで包むことによって、蒸し焼き効果を高めるのと、旨味の流出などを抑える効果が期待できます。
さらに蒸し器が汚れにくいというメリットも。

蒸す時間は次の調理工程で加熱するということもあり、本場アメリカの焼き時間の半分である3時間としています。
この加熱時間はは肉々しさを重視する場合は短く、柔らかさを重視する場合は長くで調整してください。
ただし最低でも1時間は加熱したほうが良いです。
1時間より短いと、少し肉が骨から外しにくい仕上がりになってしまいます。

BBQリブは豚バラ角煮などと同様に、脂肪やコラーゲンが柔らかくなることで、肉全体の柔らかい食感を生みます。
このコラーゲンは70~75度以上で加熱することにより熱分解し、ゼラチン化することで柔らかくなります。

一方で肉を高温で長時間加熱すると、タンパク質の凝固や水分油分が抜けすぎてしまい、肉はほぐれやすく柔らかにはなるがジューシーさを失ってしまいます。

従って80度前後で長時間加熱することが、柔らかくジューシーな食感を生むのに必要となるわけです。

【2-4. BBQソースに漬け込み味をしみ込ませる】

  • BBQソースはトマトをベースに甘み・酸味・香辛料を調合する
  • ソースに肉を漬け込み味をなじませる

トニーローマのBBQソースはトマトベースに蜂蜜の甘い味わいが特徴です。
詳細なレシピは不明ですが、家庭にある調味料をうまく活用して再現していきたいと思います。

BBQソースの一般的な作り方としてはトマトベースに甘みと酸味と香辛料を調合します。
本格的なレシピでは玉ねぎやにんにくなどの香味野菜と各種調味料を加熱調理してソースを作りますが、手軽にするため全て混ぜるだけのレシピにします。
下記表は、代表的なソース材料です。

トマト系甘み酸味香辛料その他
ケチャップはちみつジュースウスターソース市販BBQソース
トマトソース砂糖レモン果汁醤油焼肉のたれ
メープルシロップワインすりおろしショウガ
醸造酢すりおろしにんにく
スパイス・ハーブ

まずベースとなるトマト系で使用する材料はケチャップが良いでしょう。
ケチャップ単体で甘み・酸味・塩味・旨味が整っており間違いがない材料です。

次に甘み系の調味料はできれば蜂蜜を用意してください。
ない場合には砂糖やメープルシロップで代替可能です。

酸味系の調味料については、リンゴジュースがおススメです。
リンゴジュースは酸味だけでなく、果実系特有の甘みやフルーティさが加わります。
レモン果汁やワイン、醸造酢などでも大丈夫です。

香辛料系については、ウスターソースと醤油を使用します。
ウスターソースによるスパイシーさと醤油独特の味と旨味がソースに深みを出します。
ウスターソースについては、中濃ソースやとんかつソースでも良いです。

その他の副材料としては、市販のBBQソース、焼肉のたれ、ショウガやニンニクチューブを入れるのがおススメです。
市販のBBQソース以外は無ければ入れる必要はありませんが、こちらもBBQソースに深みやちょうどよい雑味を加えることができます。

一方で市販のBBQソースは是非入れてください。
BBQソースを作るために市販のソースを使うのは本末転倒な感じがしますが、スモーキーさを出すためには市販のBBQソースに頼るのが一番楽です。
そのまま使用しても十分美味しいソースなので、味全体の調和をとる役割も期待できます。

ケチャップとはちみつを中心に各種材料をお好みの味になるように調合してください。
このBBQソースは次の工程でBBQリブを焼きながら重ね塗りをするので、ある程度さらさらした粘度がちょうど良いです。
各調味料の分量はレシピ欄を参考に。

また味見をする際の注意点が一点。
調合した状態のBBQソースに対して、加熱調理して出来上がり時のBBQソースは酸味が抑えられます。
そのため加熱前の味見と調理後の味が異なることについては留意してください。

混ぜ合わせたBBQソースと蒸しあげたBBQリブをジップロックに入れてソースをなじませます。
BBQリブを入れたジップロックをタオルなどで包み保温しながら味が染みこむのを待ちましょう。
ある程度温度が高い状態でソースに漬け込んだほうのが味が染みこみやすいです。

ここまでがBBQリブを焼き上げる前の仕込みになります。
この状態でBBQ会場や庭のBBQグリルに持っていくのもよし、家のオーブンで焼き上げるも良しというわけです。

イメージとしてはレストランで注文があり次第いつでも焼いてすぐに提供できるという感じです。
この状態で冷凍保存し、食べたいときに解凍して焼き上げるというのも良いかもしれません。

【2-5. BBQリブを焼き上げる】

  • 初めは弱火でBBQソースを重ね塗りしながら焼く
  • 仕上げに強火で焼き色(メイラード反応)をつけるように焼き上げる

漬け込んだBBQリブを取り出し、オーブンやBBQグリルで焼き上げます。
漬け込みに使用したBBQソースは焼きながら表面に塗っていくので捨てずに器に開けておいてください。

焼く際には初めは弱火(オーブンなら120度~150度)でBBQソースを重ね塗りしてください。
何度も塗ることで表面にBBQソースの照りが出てくるようになります。
あまり時間をかけたくない場合には、BBQソースをあらかじめ煮詰めて塗る回数を1,2回にしても美味しくできると思います。

最後の仕上げとして強火で焼き上げます。
多少BBQリブの端の方が焦げるくらいが非常に香ばしくなるのでおススメです。

これで完成です。

まとめ

トニーローマのBBQリブの再現レシピについて紹介しました。
正直手間がかかりすぎるレシピだと自分自身思います。
トニーローマのBBQリブを味わいたいだけなら、素直にお店に行った方が良いです。

ただBBQでみんなとワイワイ楽しみたい際には、前日などに下準備しておき当日BBQリブをさっと焼いて振舞えば、みんな大満足間違いないと思います。
是非お試しください。

ABOUT ME
ミスタ
ミスタと申します! このブログは主に日々学んでいる知識についてアウトプットしていくことを目的としたブログです。 その他、趣味や戯言なども時々書いたりもします。 最近は専らAI関連が興味の対象です。 このブログが少しでも誰かの役に立てればと思っています!